lovecat world

小説、日常、ささやき。暇つぶしにどうぞ。

悲しいことは

悲しみが大きすぎたとき

それが悲しみなんだと気づくまで

時間がかかることがある。

 

毎日の小さなイライラは

いつか大きな雲となり降り注ぐ。

大雨のように降るけれど、

いつかは蒸発して消えていく。

 

でも悲しみは違うんだ。

大きければ大きいほど

忘れられなくなっていく。

例えるとすれば

溶けない雪が降ったみたいに。

 

ずっと前だった気がする。

思い出せば思い出せる。

でももう手は届かない。

手放せない。

でも開けない。

思い出にすがっていては

いけないと言われたとしても、

思い出を置き去りにするのは

私には無理だと思う。

 

悲しみは何を与えてくれるか。

苦しみは何を思わせてくれるか。

 

私をいくらバカにして笑おうと、

誰がなんと言おうと、

 

 

私は過去を手放すことはできません。

 

 

雪を温めることはしない。

 

 

 

溶けてはダメだ。

溶けては嫌だ。

 

 

過去が私を裏切ったとしても。