lovecat world

小説、日常、ささやき。暇つぶしにどうぞ。

小さな小説

繋がり

ふと風が吹いたとして なにか用があったと思い出すことがあるとしよう。 さてそれには何の繋がりがあるのか。 人と喋っていたとして 知らぬ間に話が変わっていたとするなら それにいったいどんな繋がりがあるのか。 ロープを切るのは簡単でも 元に戻すのは困…

悲しいことは

悲しみが大きすぎたとき それが悲しみなんだと気づくまで 時間がかかることがある。 毎日の小さなイライラは いつか大きな雲となり降り注ぐ。 大雨のように降るけれど、 いつかは蒸発して消えていく。 でも悲しみは違うんだ。 大きければ大きいほど 忘れられ…

ふと思ったこと

学校を出て自転車をこいでいる夕方。 風にあおられて髪がゆれる。 そんなとき、ふと思った。 いつも同じ通学路を通って学校に行き、 いつも同じ通学路を通って家に帰る。 道自体は変わっていない。 でも、 確かに何かは変わっているのではないか、と。 夏に…

かがみ

偽りの笑顔。 それはすぐにばれてしまう。 人の鏡にうつったときに。 偽者の涙。 そんなもの誰も見向きもしない。 人の鏡にうつらないから。 嘘はつかないでね。 はい、かがみ。きっとこれをみたら笑えるから。 かなしいこともあっていいんだよ。 生きてるん…